昔から一度やってみたいと思っていた松葉サイダー作りに挑戦しました。
松葉についた天然酵母の力で作る発酵飲料です。発酵飲料だからおそらく酵素も多いんでしょう。
材料
- 清潔な瓶
- 松葉 - 瓶がいっぱいになる量(できれば7月ごろの新芽)
- 水 - 松葉を入れた状態で、瓶が9割くらい満たされる量。一升瓶の場合は1Lと少しくらい
- 砂糖 - 水の5〜10%の量。一升瓶の場合は200gくらい
作り方
- 梅雨明けの晴れた朝に松葉の新芽を摘む
- 水を沸騰させ、砂糖を溶かして冷ましておく
- 松葉をよく洗う。ハカマはできるだけとっておく
- 瓶に松葉をぎゅうぎゅうに詰める
- 人肌程度に覚めた砂糖水を入れ、直射日光が当たる場所に2日間(曇の場合は3〜5日)置いておく。
まずは小さい瓶で試しに作ってみました。
松葉を詰めた直後
1日外に放置した後。少し水が濁ったように見える
2日目。明らかに発泡している。飲むと甘く爽やかな松の香り
同じく2日目。水の色はやはり濁り始めている。
松葉を取り出して熟成を進め、松葉酒にすることにしました
小さい瓶でうまくいったので、一升瓶でも作っておくことにしました。
大量の松葉を洗うのは面倒です。剪定もかねて、松の若枝ごととり、そのまま洗うほうが楽でした。枝についたまま洗い、数本ずつ葉がはえている方向に引っ張ると、ハカマもついてきません。
枝から取った状態のまま根本も洗い、わずかについたハカマをとって、そのまま瓶に入れるとはかどりました。松葉はまとめて持つと、ネチャネチャしているのがわかります。これが酵母?それとも松やにでしょうか。なんにせよ、外でこんなにネチャネチャしていたら、放射性物質や汚れをたくさんくっつけていそうです。手や容器についた松やには、消毒用エタノールできれいに取ることが出来ます。
一升瓶にたっぷり入れて、日向に出します。吹き出したときのためにビニール袋をかぶせて輪ゴムでとめています。
ぎっしり入った松葉。
ポイント
- 酸味が強すぎたらハチミツやシロップで、酸味が少なければ酢やレモンで、飲むときに調整
- 冷暗所に置いておけば3年ほど保存可能。軽く栓をし、吹き出した際の被害を最小限に収めるためにビニール袋などをかぶせておく
- 1〜2ヶ月目くらいから松葉酒になる
- 松葉は1ヶ月くらいで取り出してもよいが、入れっぱなしのほうが薬効があるとの話も
- 松やには、消毒用エタノールできれいに取れる
太陽の力でサイダーができるなんて、素敵ですね。
短い間の発酵ではまずいという話もあるみたいですが、今回できたのは、2日目からずいぶんおいしかったです。
焼酎を割るのに使うと爽やかだそうです。
この感じだと、天然酵母がたくさんついてるので有名なローズマリーでも作れそうです。さっそく実験してみることにしました。
一週間日光に晒した後のビン。内圧が高まってフタが持ち上がっています。内圧がかかったほうがおいしくなるらしいので、そのまま暗いところへ移動させます。少しでも揺れると、たくさんの気泡が水面に向かって上がっていくのが見られました。
ちょうど2週間が経った頃、突然「ぽん!」という破裂音をさせ、フタが抜けました。驚きのあまりじっと動かずに見ていると、「シュワワワワ」というガスが水面に到達する音が1分くらい続いていました。ビニール袋をかぶせていてよかったです。ビニールを取ると爽やかな松葉の香りが広がりました。ぎゅっとフタを締めなおしたのですが、翌朝見ると、また抜けていました。
栄養メモ
- 松葉:クロロフィル、ビタミンA、C、K、鉄、リン、食物繊維、松ヤニ、シネオール(精油成分)が含まれている。血管を強くして、血液の流れをよくする。動脈硬化、心筋梗塞、高血圧、ボケ、脳卒中を予防する。抜け毛を防ぎ、育毛を促進する。関節痛・湿疹・かゆみ、打撲、むくみ、低血圧症、冷え性、不眠症、食欲不振、膀胱炎、動脈硬化症、糖尿病、リューマチなどにも効果。ニコチンを排出する働きもある。
参考
- うかたま 2006年7月号
- だらだらと書く 松葉ジュース - はぐれベジ・貧乏派
- 松葉の効用 - 健康玉手箱-ある開局薬剤師の日記
- 別冊うかたま 自然の力で夏をのりきる暮らし術 2011年 08月号
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